先日たまたま友人と、自分が不治の病になった時に告知してほしいかどうか、という話をしたところでしたので、新聞の広告でこの映画を知り、是非見てみたいと思いました。この映画は、プロウィンドサーファーの飯島夏樹さんの半生と、突然癌に侵された後、妻と4人の子供と共に残りの日々を明るく過ごしていく様子を描いたものです。
映画は、夏樹さんの灰を家族みんなが笑顔で海に撒くシーンから始まっているのですが、もう既にそこでホロリときてしまい、その後もずっと涙を流しながらの鑑賞となりました。まだ夏樹さんが元気な頃、海外という大きな壁を前に試合でなかなか勝てない時に、過酷な遠征生活を傍で献身的に支え続けた妻・寛子さんの姿は、胸に熱く響くものがありました。そして、ようやく試合で優勝出来た時の二人の喜びの姿・・・。それは本当に美しく、涙が止まりませんでした。
映画の後半は、癌に侵されてからの夏樹さんの動揺と、そこから気を持ち直して家族とともに充実した日々を過ごしていく様子が、丁寧に描かれていました。映画の広告には「最期まで、パパは微笑んでいた」とあり、この方は相当タフな精神の持ち主なのだろうと興味を持っていたのですが、不治の病と分かった時、夏樹さんはパニック障害になっており、やはり人間はいざ死が現実になると、そう強くはいられないものなのだろうなと改めて思いました。
奥さんと穏やかに別れの言葉を交わし、最期は静かに逝ってしまった夏樹さん。その後の家族みんなの素敵な笑顔を見て、充実した思い出と心の絆があれば、残された人達は強く生きていけるものなのだと思いました。そして、自分も万が一、不治の病にかかった時には告知をしてもらい、周りの人達にきちんと挨拶をしてから最期を迎えたいと思いました。
映画は大澤たかお&伊東美咲さんのキャストで、青い海を舞台に美しく撮られていましたが、エンディングで流れた夏樹さんご本人とご家族の写真がこれまた素敵で、そこでも涙、涙・・・となり、映画館を後にしたのでした。
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